2015年9月15日火曜日

サッカーにおける中盤の重要性

以前、決定版 戦術について 設定編というエントリーでこのような文を書いた。

-------
相手に決定機が少ないのに点をよく決められる場合は、守備の最終ライン(GK含む)が弱い。こちらに決定機が少ない場合は中盤が弱い。決定機を作れているのに点が入らない場合はFWが弱い
--------

この文にはサッカーの本質が凝縮されているとも書いた。今回は、「こちらに決定機が少ない場合は中盤が弱い」という文により注目して一つエントリーを書く。

サッカーのポジションで一番重要なのはGKだが、フィールドプレイヤーでどの選手が一番重要かは人によって意見が違うかもしれない。まず、FWや前線の選手が点を取らないと試合には勝てないし、最後尾の守備の選手が組織だってないと守れない。前と後ろのポジションは、失敗と成功がわかりやすいのでよく目立つ。

が、サッカーの試合で勝つためには中盤の選手の活躍がかかせない。中盤の選手は要するにオールラウンダーである。守備もしないといけないし、ボールも繋がいといけないし、決定的なパスを出すことも求められるし、バイタルでフリーならシュートを打たなければならない。とくに、ディフェンシブミッドフィルダーは守備に攻撃に奔走しなければいけない。

で、DMの何が一番大事かというと、ボールを奪う、という部分にある。現代サッカーの核心的戦術は何かというと、プレスである。強いチームは組織的にプレスをかけて、ボールを奪い、前線に回す、これができている。逆に、中盤でボールを奪えないと、前線にパスを出され、ピンチになってしまう。サッカーのどの試合を見ても例外なくそうなっている。

中盤の攻防が試合を決定づけるわけだ。中盤が強いチームは強い、そうでないチームは弱い。これは現代サッカーをしているすべてのチームについて言える。

ACLとか世界で日本のクラブやチームが勝てない理由は、中盤の弱さにある。彼らはまずボールを奪えない。ので前線にパスを回せない。ゆえにチャンスがないのでゴールを決めれない。この三段論法がすべてのチームに当てはまる。

日本が弱い理由として、よくボール際に弱い、ということが言われる。これは、競り合いに弱い、ということだ。基本、現代サッカーでは中盤は人が密集していて、ボールがどっちのものなのか曖昧な状況というのがよくある。そこを自分のボールにできるかどうか、これが要するに中盤の攻防なわけだ。つまり、競り合い=中盤のキモなので、ここで勝てないということは試合に勝てないということだ。

たとえば、高く飛んできたボールにジャンプで競り合おうとしない、ぎりぎりで走れば追いつけるようなボールを走らずにタッチラインにそのまま出す、相手のトラップが大きくなったところを奪いにいかない、こういうシーンがJのチームの試合を見ていて異様に多い。これは技術の問題ではなく、メンタルの問題である。つまり、Jの選手は中盤の競り合いをしようという気がない。ということは要するに、彼らはサッカーをする気がない。

もっとも、Jの選手は中盤だけでなく、ゴール前でもボールを競り合いにいかないので、彼らはそもそも相手からボールを奪う、という概念を持っていないのかもしれない。だが、さすがにそんなことを考えるとうんざりするのでここではスルーする。

サッカーとは中盤の攻防であるということ、これは、日本人がよく誤解しがちなように、中盤でボールを回すのがサッカーのすべて、という意味ではなくて、中盤でのボールの奪い合いが試合の結果に直結する、という意味である。詳しく言うとこういうことだ。最終ラインでボールを奪うのはリスキーすぎるし、一つのミスが失点に直結する。CBがボールを滅多やったやたらに奪いに行くと、かわされたらそれで失点する。逆に中盤は積極的にボールを奪いに行ってもよい局面だ。これは相手も同じなので、現代サッカーでは必然的に中盤での競り合いが多くなる。つまり、中盤の中央だろうがサイドだろうがそこでボールを奪うことができなければ試合には勝てないようになっている。ボール奪ったあとのツナギは状況に応じて変えればいい、つまり相手の弱いところから攻めればいい。

よく、「中盤なんて省略できる」というようなことをいう人がいるが、その場合の「中盤」とはボールツナギ、つまり攻撃のことしか考えていないわけで、守備のことは考えていない。中盤の守備を省略するなんてことはありえないし、ナンセンスである。

たとえばクロップ時代のドルトムントなんかは中盤の競り合いを極端に重視したサッカーをしていた。中盤でボールを奪えた場合、ショートカウンターのチャンスがあるので、ここでとにかくボールを奪うということを最重要課題にしていたわけだ。中盤での守備はそのまま攻撃の手段である、ということをクロップはバルサのプレスサッカーから学んでいたわけだ。これは中盤後ろめの選手にパスがうまい選手がいて、FWがボールキープできる選手がいた場合、とてもうまく機能する。そうでない場合、前のめりになったところを逆に攻められてピンチになる。プレスをかける場合はそのタイミングと加減が大事だ。

まあ、というわけで、中盤の攻防は守備と攻撃がないまぜになったポイントであって、そこで勝てるかどうかがサッカーで一番大事なのだ。中盤でどう守りどう攻めるか、これを意識しているかどうかだけでも、サッカーを見る目は変わるし、FMでのプレイの質も変わる。たとえば、サッカー店長が『狩るか、狩られるか?』 ~バイエルン×レバークーゼン~というエントリーで書いていたように、バイヤンが強いのは中盤が強いからであり、その強さを生かすための0CBという布陣をとることができるからである。何度も繰り返すが、中盤で狩ることのできるチームが圧倒的なアドバンテージを得ることができる、それが現代サッカーなのである。

ということをサッカー店長の上のエントリーを読んで改めて思ったので、この文を書いてみた。サッカーが面白い場合は、中盤の攻防の拮抗が取れてる時であり、そういう時はどっちに試合が転がるかわからない。逆に、中盤で競り合いをしないJのサッカーはつまらないのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントの名前は、OpenID対応になっています。詳しくはこちら→https://support.google.com/blogger/answer/83064?hl=ja
匿名でも書込みできます